『ちーちゃんは悠久の向こう』(日日日・河野雅美/新風舎文庫)*3

一般的なライトノベルとは違う雰囲気です。物語がどんどんこっちを裏切っていってくれる。その辺が乙一に似ているかな、と。思ったら久美沙織先生が解説で同じようなことを書いてらっしゃったり。そんなわけで買おうかどうか迷ってる人は解説読んでみてくださいって感じなんですが。
それよりもあとがきでの「(将来の)夢を見たことがない」という発言が、幼稚園のときに将来の夢を聞かれて、友人達が次々と答えて行く中、自分だけが何も思い浮かばなかったという思い出やら、小学校中学年くらいになって「サラリーマン」とかいう夢のない答えを覚えたことやらを思い出したりと、なんかもう自分もろくでもないよなあ。
作家になるには読者として現状に満足しすぎだしねえ。読みたい物語がそこにあって、それでなお書きたいと思えるほどには文章書きとして文章を書くことが好きじゃないんじゃなかろうかな、と。
そんなことを考えつつも、頭の中で固まっていない物語を形にしたくなっている自分もいたりして。というかこの『ちーちゃん〜』を読んで、微妙ながらも方向性が見えたというか。
同じ時代を生きてる作家って言うのは、ココから始まるんじゃなかろーか。これから僕らにとってはますます面白くなっていくんじゃないかなと、そんな風に。