『てくてくとぼく』読了。

『てくてくとぼく 旅立ちの歌』(枯野瑛GOW富士見ファンタジア文庫*1
舞台は海が完全に干上がって砂の海が広がる惑星。
人々は過去の技術である“塔”が生み出す水や土を頼りに生きています。
地球の遠未来、科学技術が衰退し、天変地異まで起こったと考えるのが妥当でしょうか。
この世界には一つの宗教観があり、その教義の一つに判りやすく言うと「自動人形=悪魔」というのがあります。
没個性気味*2な今作の中で、この設定が結構輝いてたなあ、と。
似て非なる物であるがゆえの嫌悪感などが描かれる事はあったけれど、直接的に「悪魔」に仕立て上げたというのは巧い。
キャラクターまで類型的なのが難点だけれど、次作があるならその辺考えたキャラ造形してもらえればなあ、と。

*1:ISBN:4829116366

*2:あとがき読めば判りますが、良い意味で使ってますよ。