私の優しくない先輩(日日日・榎本ナリコ/碧天社)*18

私的初の同時代性作家、日日日の2作目。
語り部は生来の病弱で、もう自分の命が長くないことを悟っている女子高生。この設定を作者自身の「将来への希望の無さ」と繋げて語るのはそう飛躍した論でもないと思います。
物語自体は駆け足感が強いと言うか、もう2、3個エピソードが欲しいんじゃないかと。『ちーちゃん』解説で『狂乱家族日記』に関しても似たような記述が見られることから考えて、もしかして現状で構成力に若干の難があるんじゃなかろーか。けれど。巧くて面白いよこの作家。